FAS協会総会報告
川崎 幸夫
風信48号 2003年7月(ウエブでの読みやすさを考慮し、原文の段落区切りを変更しています。)
本年は五月三日の午後一時から五日の正午まで相国寺山内林光院において別時学道を行なったので、引きつづき林光院において総会を開催することとし、五日午後一時半から三時間あまり、くつろいだ座談の形で活溌に意見を交換し合った。参加者は池田(方彩)、越智、大藪、湖海、斎藤(文)、常盤、西野、山田、米田、川崎の十名であった。西野さんは福井県からの御遠来であった。
総会に先立って「『人類の誓い』について」という演題で川崎による講演が行なわれた。この演題を選んだのは、昨年来越智さんとともに久松先生の「人類の誓い」三篇にFASに関する二篇を加えて、単行本を出すために法蔵館と交渉を重ね、漸く刊行のはこびとなったのに因んだのである。その講演原稿を若干敷衍して今回の「風信」に掲載することにしてあったが、思わぬ方向に筆が滑ってしまい、尾鰭の方がのさばって、魚の本体を蔽うことになったのをお詫びせねばならぬ。
講演が了って後、三時頃から総会に移った。今回の議題としては特に大きな問題はなく、まづは久松先生の『人類の誓い』の刊行が迫ってきたので、その経過と現状を報告した。今回の出版は越智さんが以前から熱心に提案されたことに端を発し、はじめは新たに会員となられる方々に教科書代りに読んでいただこうと考えたことが主な動機であったが、交渉に当って法蔵館側が大変好意的に受止めて下さったことから、次第に今こそ久松先生の悲願であった「人類の誓い」をひろく訴えてゆく好機ではないかという機運が生じたのである。西村社長の特別の御好意で定価も安く抑えて下さり、出版のための協会の負担についても温い御配慮を編集長の上別府さんからいただいたことを篤く御礼申し上げるとともに、会員諸氏の御支援を心からお願いする次第である。
それからもう一つの案件は、委員会および委員長の改選期が訪れたので、次期委員会を構成してその承認を取りつけることであった。実は豊中市で保健所の所長という激務を果されながら、論究委員と庶務・広報委員とを兼務してこられた圓山誓信さんが三月末に大阪府を退職され、五月はじめから二年間の予定でアフリカのザンビアに赴任されることになった。圓山さんは今までもエイズ問題などで積極的に活躍してこられたが、今回は国際協力事業団の派遣員として乳幼児健診体制の整備に従事されるとのことである。そのために委員会としてはインターネットのホームページを担当していただける方を探すことが急務となり、そのことに焦点を合わせながら左のように次期委員を選出した。
(実究)越智通世、大藪利男、斎藤文利
(論究)阿部正雄、米田俊秀、山田慎二
(風信)江尻祥晃
(会計)湖海昌哉
(庶務・広報)大藪利男、米田俊秀
(監査)原田
修
(委員長)川崎幸夫
最後に湖海さんより平成一四年度の会計報告が行なわれたのち、平成一五年度の予算案が示され、全員異議なく諒承した。