来る八月に開かれるオランダ・ティルテンベルグ主催の夏季接心に参加予定の各氏の旅費について、かねてより申請していた国際交流基金からの交付が内定したことが山口FAS協会理事長あて通知されたことを報告した。
かねてから計画されている論文集の出版については、1997年2月と3月の理事会で検討、4月30日で一応原稿を締め切ったことを報告、出版については討議のうえ了承された。
FAS協会への寄附の受け入れについて、故北山理事からとくに生前最後の提案があったことが理事長から報告された。「今後すべての寄附はどのような場合も無条件のものに限って受け入れる。」これが北山理事の提案である。この提案は総会出席者全員で承認された。
次に、上記「論文集」出版の意義と方針について、理事長より次のように報告した。
第1に西田幾多郎に由来する、久松真一の哲学をできるだけ万人に理解できる言葉で書くこと、第2に、国家の問題については、国家より文化に注目して物事を見てゆきたいこと。第3には従来の理系と文系との分離を、新しい共通の言葉を見出してゆくことによって徐々に修復し、話し合いのできる場をつくり出していきたいこと。
これが、提案された内容であって、今までのFAS協会の出版には見られなかったことである。これについては、賛成の表明があり承認された。
また、会計担当理事より、会費納入について、会員全部がもう一段努力をしていただきたいと述べられた。『風信』には広告を載せないという方針も確認した。
最後に一会員から平常道場の現状の報告があった。〔『風信』同号に関連記事〕